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ダニエル太郎はミルマンの粘り強いプレーに屈する

[シングルス準々決勝]
○ジョン・ミルマン(豪州) 6-4,6-0 ●ダニエル太郎

■ファーストサーブ時のポイント獲得率は44%と低調で、サービスゲームのキープに苦しんだ。「サーブ自体は悪くなかった」とダニエル。原因はそのあとのグラウンドストローク、特にフォアハンドに違和感があったという。「タイトな感じで、1回戦や昨日のように振り切れていなかった」。準々決勝の緊張感、コロシアムを吹き抜ける風、相手のリターンがよかったこと、そうした要因が重なり、本来のムチのように柔らかなスイングができなかった。

■ミスの少ないミルマンからの重圧もあった。「しぶとい相手と分かっていたので、どうやったらポイントが取れるか、試合前からクリアじゃなかった。それでフォアも硬くなり、どんどん居心地が悪くなった」。なんとか悪いフィーリングを追い払おうと、右手をぶらぶらと振り、脱力を試みる姿もあった。第2セットは「ミスしてもいいから振り切ろう」と気持ちを切り替えたが、相手のミルマンも調子を上げ、逆に差を広げられた。チャンスもあると見られた予選勝者との準々決勝はストレート負けに終わった。

■昨年8月に自己最高の64位をマーク、ランキングが上がったことで今季はこれまでになく結果を意識し、自分にプレッシャーをかけてしまった。苦しんだ分、そうした状況にどう対処するか学ぶシーズンになった。ATP500で初の8強入りを果たした今大会も、結果だけでなく、得るものは大きかった。「試合が始まるまでの過ごし方、練習の仕方が自分で気に入っている。自分でコントロールできるものに時間を使い、エネルギーを使った。できることをやっていくと良い結果が出せるチャンスになる。今週できたプレーを忘れず、ここでつかめた自信を使って次の大会に臨めたら」。

■敗退からわずか数時間で、悔しさを忘れ、試合を客観的に分析、この1週間で得たものを整理して心に刻む--こんな芸当ができる選手はそうはいない。ダニエルが持つ、類い希な才能だ。

日本テニス協会 広報委員会